都市名:チェンマイ
氏名: 今井信行
都市の印象:
タイ第二の都市ながら、チェンマイは緑に囲まれた古都の佇まいが残る、しっとりとした都市であった。都市と呼ぶには小振りな印象であるが、まちの中心部は水壕で囲まれ、所々古い城壁が残されていた。遺跡ともいえる古い寺院も残り、バンコックとはうって変わったやすらぎを感じた。このチェンマイを中心にランプーンを始めとする工業都市が郊外に建設されていた。バンコックの一極集中から、このように地方都市を拠点に工業都市の建設が進められているようで、タイ産業経済のモデル都市ともいえるのがこのランプーンである。タイ北部の山々に囲まれ、太いハイウエイがチェンマイとランプーンを結んでおり、渋滞もバンコックに比べればないに等しい。
在留邦人は、このランプーン周辺に住んで朝晩通勤している。物資も豊かで、日本食レストランも何件かあり、それぞれ現地の生活に順応されていた。
このような環境の中で邦人からはとくに現地の医療事情に不満の声は聞かれなかった。 検診の席上でもとくに、健康上の不安を聞くこともなかった。家族同伴で赴任されている家庭の主婦からは子どもとの接触の時間が増えたとか、アトピーや喘息が軽快したなどという赴任を歓迎するような声も聞かれた。一方であえて指摘すれば、当地に派遣される邦人は単身赴任の方が多かったように思う。文字どうり日本経済の海外進出の最先端で働く、三十台を中心に中には、二十台の青年世代が多かった。従ってとくに実生活に不足があるわけではないが、毎日の食生活で脂肪分の多い食事に偏りがちになったり、アルコール、タバコなどの量が増えるなどの声が聞かれた。また余暇の使い方に困るなどの声も聞かれた。
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