スペイン 5日目
停電も治った。
今日は、グラナダからバスで、ミハス(Mijas)という白い壁の街に立ち寄ってから、セビージャへ向かう。セビージャは、人口70万人、スペイン第4の都市である。
バスの窓からは、延々とスペインの大地が見渡せる。
そこにまた延々と、オリーブの樹が植えられている。
きれいに等間隔に並んでいるので植栽されたに違いない。
日本であれば、樹木の種類が多く多彩な木々が見られるであろうに、この地方はただただオリーブであるのが驚いた。
おそらく降水量が少なくても、たくましく育つのであろう。育てやすいのであろう。
「どうしてこんなにオリーブばっかりなのですか?」と添乗員さんに尋ねたら、「他に植えるものがない。」との返事だった。
まあ植えるのは比較的簡単で、その後は手間をかけずに育つのであればそれは良いであろうが。
問題は収穫だ。
この広大な土地に植えまくったオリーブの樹から、どうやって収穫するのだろうか?
きっととっても大変だろうな。
他人事ながら、心配になる。
さてミハスの街は、もう地中海が望めるほど南にある、白い壁が特徴的な可愛い街だ。街からは地中海が望める。あの向こうはアフリカのモロッコだ。
観光の街だが、白い壁に飾られた青い花瓶と赤い花がとても可愛らしい。
あまりにもフォトジェニックな街並みだ。
セビージャに着いた。Sevillaと書いて、セビージャ、セビーリャ、セビリアとも呼ばれるスペイン第4の大都市だ。
この街も印象深かった。
最初に訪れたのは、セビージャ大聖堂だ。
バチカンのサン・ピエトロ大聖堂、ロンドンのセント・ポール大聖堂とならんで、世界3大聖堂と称される。
とにかくものすごい彫刻の数々で、天まで埋め尽くさんがばかりの彫刻の数々だ。
純金を貼られた木製祭壇の中央には、キリストではなくて聖母マリアが掲げられている。
スペインの中でも、マリア信仰が盛んであった影響らしい。
またこの大聖堂には、新大陸発見のコロンブスが埋葬されている。
コロンブスの墓の上には、棺を担ぐ4名の王の像が飾られている。
これは当時のスペインを構成した、レオン、カステイーリア、ナバーラ、アラゴンの王を表しているという。
威風堂々とした姿である。
観光の記憶を辿ると。
大聖堂の中に入って、右側に2台の巨大なパイプオルガンがあった。
聖歌隊席と呼ばれる部分。
左側には金色で埋め尽くされた主祭壇があり、中央にはマリア様がおられた。
とにかく埋め尽くされた彫刻が天井まで伸びている。
圧巻である。
そして進行方向左前方に、コロンブスの墓があった。
https://www.becolog.com/catedral-de-sevilla
https://www.spain.info/ja/toppu/sebija-daiseidou-mamechishiki
世界3大聖堂と称されるだけのことはあるなあ。
圧倒的な迫力だった。
外にはヒラルダの塔と呼ばれる尖塔が立っている。
高さ97メートルとのことだ。
12世紀にイスラム教のミナレット(尖塔)として建てられたものだが、その後、レコンキスタ運動の結果、キリスト教の影響を受けて先端に鐘楼が取り付けられたものだ。
美しいイスラム建築を破壊せずに、キリスト教風に再利用したわけである。
ちょうどこの日の午後、2025年4月21日に逝去された、フランシスコ教皇の追悼ミサが予定されていた。
大聖堂の外にでると、道端に白い花が咲いていた、ベージュ色のガクが見える。
この花がイスラム美術でよく見かける唐草模様の原型だそうだ。
名前は、忘れました。
セビーリャ大聖堂の次に訪れたのは、セビーリャのスペイン広場だ。
スペイン広場というのは、マドリードにもあったが、断然こちらの方が立派だった。
古の建物のように見えるが、実は1929年に開かれた、イベロ・アメリカ博覧会を記念して作られたものだそうだ。
コロンブスが、新大陸発見のために船出したのが、このセビーリャであったことから、ここセビーリャで、イベロ・アメリカ博覧会(万博のようなもの)が開催されたそうだ。
1929年は、同時に世界恐慌がはじまった年でもあったそうだ。
不安定な世相であったのかもしれないが、そのような雰囲気を微塵も感じさせない威風堂々たる建築である。
広大である。
大スペイン帝国の栄華を物語るようなスケールだ。
青空に翻るスペイン国旗が、雄々しい。
なんでも、スターウオーズ エピソード2の撮影場所だったそうだ。
このセビーリャのホテルは、素晴らしかった!
アルフォンソ・トレッセというホテルで、このホテルも1929年のイベロ・アメリカ博覧会に併せて、世界の賓客をもてなすために、当時の国王 アルフォンソ13世の名を冠して建てられたホテルだそうだ。
今回、このホテルに泊まることが、ツアーの目玉として紹介されている。
アーチ式の天井やアラベスク様式の幾何学模様を沢山取り入れた素敵なホテルだ。
中庭を囲むように、レストランの座席が配置されている。
ベッドが高すぎてよじ登るようにベッドに上がり、あやうく落ちそうだったが寝心地はとても良かった。
夜、少し散歩に出かけたが、セビーリャではまだ馬車が使われている。
ちょっと感動した!
翌朝、また早起きして、セビーリャの朝をランニングした。
ホテルの紋章だ。
唐草模様がからまって美しいデザインだ。
2枚目の写真は、エレベーターのドア。
木造だ。取手を手前に引くとエレベーターのドアが現れる。
ホテルはセビーリャの中心部にある。
少し走ると、グアダルキビル川のほとりに出る。
筒形の黄金の塔と称される塔が立っていた。
13世紀頃に、川の運行を検問するために造られたそうだ。
小雨が降ってきたので、朝のランニングは早々に切り上げた。
朝食
食材は豊富で、本当に美味しい。
ハムやチーズ、トマトのソースをかけると美味しい。
フルーツも豊富。
あまり日本では見かけないが、ハチミツが巣のかたちのままで提供されていた。
少し食べてみたが、びっくりするほど甘かった。
なんでハチミツはこんなに甘いのか?
また疑問が湧いてくる。
今回のスペイン旅行では、本当に食事が美味しかった。
食材もだが、味付けが脂濃く過ぎずに、美味しい。
皆、同じ意見だった。
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