3日目 バルセロナ
午前中は自由行動。
今日は日曜日なので、専門店などは閉店している。
私たちは、ピカソ美術館に行くことにした。
ネットで予約を取る。
ピカソ美術館は、この路地に面して入り口がある。
外見からは、ここに美術館があるとは、分からないくらいだ。
入り口は小さいが、奥にいくつかの建物をくり抜いたように大きな美術館が出来ている。
スペインの建物は、高さが揃っていて、また電柱などが無いために、すっきり整然としている。古い建物をできるだけ壊さずに、うまくリフォームして利用している。建物に対する考え方が日本とは根本的に異なっているようだ。
ピカソ美術館に展示された多くの作品。
ゆったりとした美術館のスペースに、ピカソの絵が飾られている。
ピカソは、絵画から陶芸なども含めて、生涯に膨大な作品を残したと知られるが、これらの作品が展示されている。
なかには同じような主題の作品が、色彩や構図を変えていくつも展示されている。
その奔放な作品たちを眺めていると、まさしく「ピカソやりたい放題!」と思えてくる。
ピカソは90歳を超えてさすがに老年期に達したときに、「やっと子供のような絵が描けるようになった。」という言葉を残したと言われるが、既製にとらわれず自由奔放に新境地を切り開いていくその姿勢は、やはり天才と呼ぶに相応しい時代の革命児といえるだろう。
たくさんの絵画の中から、同じような主題の作品を並べて展示したものを掲載します。まさしく、「ピカソやりたい放題!」な雰囲気が伝わるだろうか?
3日目 午前中の自由行動を終えて、午後はバルセロナの世界遺産を観光に行く。
サグラダファミリア教会の入場予約が、午後5時からなので、それまでにまずはグエル公園に行く。
グエル公園もガウデイの設計だ。
実業家グエルが、バルセロナ市街を見下ろす小高い丘全体を購入し、ここに田園都市の造成を計画した。資金面から当初の計画は変更となり、公園として整備された。
山を切り出して造成されたために、できるだけ元の材料を利用することが考えられ、通路などは掘り出した土と陶器を合わせて支柱にしている。
円形の花弁のように見えるものは、中央広場の下に作られた市場と言われる部分の天井の模様だ。
中央広場の下は市場と言われる広間になっており、暑い日の日陰を提供している。
また中央広場に溜まった雨水はこの白い花弁のように見える部分を伝い、地下の貯水槽に雨水を誘導する。この市場は防災時にも利用できるように設計されている。
単に奇抜で楽しいだけでは無いのだ。
エコであり災害にも対応した未来都市が設計されている。
それでいてカラフルで楽しいのだ。
ガウデイもまた天才と称されるゆえんであろう。
そして貯水槽に蓄えられた水は、市場から流れ出て、トカゲの口から出てくるようになっている。色タイルでモザイク画のように作成されたオブジェが楽しい。
なんて気分を楽しくさせるのだろう。
真っ青なバルセロナの空の下で、この世の楽園に入り込んだような気分になる。
バルセロナは楽園だ!
グエル公園からさほど遠く無いところにある、サン・パウ病院。
これも世界遺産。
銀行家 パウ・ジル の遺言に沿い、前述の建築家 モンタネールの最大のプロジェクトとして着工されたそうだ。だから、サン・パウ病院と呼ばれている。
広大な敷地に48棟の建物が造られ、「芸術には人を癒す力がある」というモンタネールの信念のもと、いたるところにステンドグラスやタイルなどの装飾があしらわれたとのこと。
私たちは外観だけの見学であったが、その華麗な建築に圧倒される。
1930年に完成し、2009年まで実際に病院として利用されたそうだ。
隣には、最新鋭の病院が建築されている。
3日目 最後の観光は、サグラダファミリア教会
1882年に着工。ガウデイは2代目の建築家で1883年からこの教会の建築に関わったと。
2026年、ガウデイ没後100年の完成を目指して建築中とのことだが、コロナ等の影響で完成は遅れるとのこと。今なお建築中である。
サグラダファミリアのトゲトゲした外観はよく見かけるが、内部に入ってその巨大な空間に圧倒される。高い天井に開けられた窓から降り注ぐ太陽の下に、天蓋に覆われたキリストの像が宙吊りになっている。周囲の飾り窓には、無数のステンドグラスが飾られ、荘厳でかつ華麗な空間に圧倒される。
よくここまで飾りつけたものだ。
100年以上、代々延々と創り続ける人々の執念めいたものを感じる。
サグラダファミリアの観光が無事に終わり、バルセロナ2日目の夕食に出かける。
ちなみにスペインの夜は明るい。
なかなか夕暮れにならない。
この理由は、スペインがヨーロッパ中央時間という時間を採用しているからだそうだ。
https://note.com/kow_global/n/n5861a5b2d7d3
https://note.com/maqui265/n/nbf1859a510e2
つまり太陽の位置に比して、時間表示が遅れているのだな。
朝の6時はまだ真っ暗だ。
毎朝6時に早起きして、ランニングをしてみたが、真っ暗な中を歩いている人も少なく、ちょっとビックリした。
また夜は9時を過ぎても明るい。
なんかトクをしたような気もするが、日照時間は日本と同じで約14時間だそうだ。
さて夕食だが、ガイドブックにあった、Tapas' 24 というお店に行く。
タパスというのは、スペインの特徴的な小皿料理のこと。
小皿に分けて、生ハムやオリーブ、フライ、コロッケ、野菜などがサーブされます。
日本でいうと居酒屋、小料理屋という感じ。
ツマミといった感じで、これらを頼んで、ワイン片手に楽しむ。
同じような名前で、ピンチョスというのがあるが、これは串にさした料理のことだそうだ。
通りにテントを張り出して、オープンエアのお店も多く、ヨーロッパだなと実感する。
Tapas'24 は有名店らしく、満員の盛況だったが席を作ってくれました。
アジア系のスタッフが親切に写真入りメニューを見せてくれ、無事に楽しく食事をすることができました。
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