話題の映画、「アリスのままで」、を観てきました。
2014年のアメリカ映画ですが、主演のジュリアン・ムーアは、主演賞22冠を獲得したとか、アカデミー賞を取ったとか話題の映画です。
テーマは、ずばり、「認知症」。
優秀な言語学者であったアリスが、ある日、若年性アルツハイマー病と診断される。大学での言語学の講義の途中で、内容を忘れるような事態から、自らの異常に気づき神経内科医を受診する。
日本で言うところの、長谷川式問診が行われ、続いて、MRIやPET検査など、アメリカの診察のシーンも興味深かった。
言葉を忘れるために、記憶を必死に取り戻そうと、iPhoneなど、ITデバイスを駆使する姿。それでも次第に確実に記憶は失われ、日常の会話もままならない。
パーティに夫婦で誘われるシーンでは、楽しいはずの普通の会話もできないことから、夫に、「がんの方が良かった。」、「がんなら恥ずかしくないから。」というセリフは胸に残る。
ある日、アリスはある認知症の介護者の会で、自らの認知症患者としての体験を話す機会を得る。そのスピーチも感動的だった。
認知症の人のおかれた状況を、リアルな演技で伝えていて、あらためて認知症を患うことの恐ろしさを感じた。
同時に、この映画は、認知症の人を支える家族の愛情も描いており、認知症の恐ろしさと同時に、家族愛についても考えさせる。
高齢者介護に携わる人のみならず、ある程度の年齢に達した熟年世代には、ぜひ観て頂きたい映画だ。
ある程度の年齢に至った者にとって、認知症は誰にでも訪れる可能性のある病気だ。
ただし、一人で観るよりは、どなたか相方と観ることをお勧めします。
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