できごと徒然
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No.0085

できごと徒然(85) − 10周年、そして貴い寄附−

 

平成22年10月にて、当院は開院10周年を迎えました。

ちょうど10年前、平成12年10月2日だったと思いますが、開院の朝、中州の自宅から武庫川まで、朝の散歩に行き、朝陽に輝く川面を見ながら、今日から開院するのだと、
希望と不安に、緊張した朝を迎えたことが昨日のように思い出されます。
それから10年、あっという間のようだった気もするし、少なからずの日々が、流れたことも事実です。

平成22年10月9日(土)、無事に10年を迎えることができたことを記念して、職員一同にて食事会を行ないました。
開院時6人だったスタッフも、30人ほどになりました。
御世話になった地域の方も招いて、ひと時の宴を持ちました。
4人の方が、開院以来10年を勤続され、感謝状を贈呈致しました。

どうしても透析医療をしていますので、皆でまとまった時間を共有するということが難いのですが、私としては、短い時間で、楚々とした中にも、皆への謝意、法人の理念と言ったものを、伝えることができたのではないかと自負しています。
そんな法人の理念が、具現されたと感じる出来事がありましたので、ここに記載し、記録に残すことに致します。
10周年を迎えた10月のある日、ある難病の方を、自宅で看取らせて頂くことがありました。

後日、その御主人と息子様が、クリニックを訪ねて下さり、看取りのお礼を述べて下さるとともに、在宅で療養を続ける患者にとって、自宅へ訪問してくれる医師、看護師の存在は、大変心強いものがあった。
家内とは生前、私達のように在宅で療養を続ける者にとって、在宅医療を引き受けてくれる医師や訪問看護師の存在は大変有難いと話し合っていた。
私達のように在宅で過ごす患者のために、今後の在宅医療の充実を願うのは、家内の、そして私達遺族の気持ちであるので、その遺志を込めて、貴クリニックを通じて役立てて欲しいので、寄附をしたいという申し出を頂きました。
大変有難い御言葉であり、御意思に沿うべく、慎んで、その御寄附をお預かりしました。

この寄附に込められた想いの大きさを思いながら、今後も我々の、そして宝塚市の在宅医療の充実を計っていきたいと思います。


〜医療法人 薫風会の理念〜

〜 例えば、腎臓病や、がんや難病など、治癒しがたい疾病であったとしても、住み慣れたこの町で、いつまでも過ごし続けたいと願う人たちを、支援したい。〜

薫風とは、初夏の爽やかな風を表す季語であるが、本来は、真夏の言葉。
以下、少々、解説を。

  まず唐文宗帝がこのように云った。

人皆苦炎熱(人は皆炎熱に苦しむも)
我愛夏日長(我は夏の日の長きを愛でむ)

それに柳公権が答えて云った。

薫風自南来(薫風は南より来たる)
殿閣生微涼(殿閣に微涼の生ず)

患家においては、過ごし難き炎熱のさなかにあっても、
我々が関わることで、一服の涼風と感じられるように、ありたい。

そのような想いで、薫風会と名乗ることにしたことを
あらためて記載しておきたいと思います。

平成22年10月31日

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お問い合わせ いまい内科クリニック
〒665-0021 宝塚市中州2丁目1-28 TEL 0797-76-5177