2010年7月10日、11日と、鳥取で行われた、第18回日本ホスピス在宅ケア研究会に参加してきました。
http://hospice18.web.fc2.com/
今回の大会長は、野の花診療所の徳永進さんです。
大会のタイトルは、「いのちのおわりにみみをすます」というものでした。
大会の印象は、一言で言って、大変感性のゆたかな大会であったということです。
実質、11日のみの参加でありましたが、午後からの講演会は、徳永進さんの司会に、詩人の谷川俊太郎さん、作家で僧侶の玄侑宗久さん、作家のよしもとばななさんの4人による講演でした。
アドリブの講演でしたが、それぞれの深い言葉が響きあって、いつまでも聴いていたいような感動を与えてくれました。
谷川俊太郎さんは、さすがに詩人!であられて、その語る一言一言が、言葉が輝いているかのような、言葉がそれ自体一人歩きしているような表現でした。ちょっと驚きました。
玄侑さんの話も、広範な仏教の知識に裏うちされて実に深い味わいでした。
よしもとさんの紹介してくれた、アメリカインデイアンの祈りの詩も良かったです。
それにしても、「いのちのおわりにみみをすます」という大会のタイトルに、臨床のセンスを感じます。
なんて素敵なタイトルなんでしょう。
実際、在宅医療の現場で、最後の最後を表現するに、この言葉ほど適切な言葉はないようにも思います。
臨床の素敵なセンスを感じる言葉です。
この医療者も市民も参加するという、独特のスタイルの研究会は、参加するたびに新しい出会いがあり、そして再会があり、感動があります。
この学会に参加すると、ひとの「いのち」という大きなものに、医療が関わるのは、そのごく一部なんだと感じざるにはおれません。
なるほど大事な部分ではあるが、けっして医療だけでは、いのちを支えられるものではないことに気づきます。
非常に大きなテーマを考えさせてくれるユニークな研究会です。
今年の第18回大会の印象を残しておきたいと思います。