平成18年4月、当院にとっては二人目の研修医が来られました。
大変礼儀正しく真面目な方で、患者様の前でもキチンと挨拶ができる方でした。
こういう挨拶がキチンとできる方であると、それだけでこちらとしては安心です。
以下に、研修医の感想を許可を得て掲載致しますが、これを読ませて頂くと、ありふれた日常の診療も、研修医にとってはなかなか有意義だったようです。
大学病院ではすでに診断のついている人を診療することが多くて、初診の人をいかに順序立てて診療していくかというのは、貴重な経験だったようです。
研修医の方とお話していると、知識としてはすでに充分なものを持たれていると思いました。私達の頃に比べて格段の情報量で、今の人は本当に大変だと思います。あとは、その豊富な知識を、適時適所でどのように引き出して組み合わせて、そして患者さんに提供するかということでしょうか。
医師になって二年目の頃の自分を振り返っても、毎日を夢中で日々を過したように思います。これから時間もかかることですし、これで終わりといえるものもないので、これはいくつになっても、コツコツと研鑽を重ねていかなければならないものと思います。そういう意味では医師は万年研修医ですね。
身近にこうして新鮮な研修医と接する機会を得て、一緒に、患者さんの診療に当たる機会が持てるということは、やはり自分の診療を振り返るいい機会になりますし、自分が研修医であった頃抱いたであろう初心の感想を聞かせてもらって、あらためて自ら初心に戻ったり、私にとっても貴重な経験だと感じています。
1ヶ月の研修も最後になると、顔なじみになった患者様から、ねぎらいの言葉と「しっかり勉強して、いいお医者さんになってね。」という励ましの言葉を頂くようになりました。研修医もうなづきながら、患者さんにお礼を述べておりました。
このような患者さんとの出会いを通じて、感想文の末尾に書いてあるように、研修医はプライマリケアにも大変興味をもったとのこと、専門領域を持ちながらも、間口をひろく日々の診療を心がけてくれるきっかけとなったならば、これは誠に望外の喜びと思う次第です。
また今回の試みとして、平素よりいろいろと連携を持たせて頂いている、近隣の先生にお願いして、それぞれの診療も研修して頂きました。
双愛整形外科の中村先生、こだま病院の児玉先生にお世話になりました。
それぞれ快くお引き受けいただきましたが、内科とはまた違った診療科の見学も、またそれぞれの先輩先生方のお話を聞くことも、きっと良い経験になったに違いないと思います。
大仰な言い方を許して頂ければ、地域で研修医を引き受けて、地域で育てるという試みができましたこと、私にとってもうれしいことでした。
次回はまた、他の先生方にもお願いして研修の輪を広げたいと思っています。
研修のうちあげに、お気に入りの店でワイン片手に、皆で食事を楽しみました。
今回の研修も、私にとってもとても楽しくよい経験になりました。
研修医の許可を得て、以下に感想を掲載させて頂きます。
地域医療研修を終えて
1ヶ月という短い間でしたが大学病院では経験できない多くのことを学ばせて頂けました。
本当にありがとうございました。スタッフの方々、患者さまにもよくして頂き感謝しております。
個人的な都合で何日かお休み・遅刻してしまい申し訳ありませんでした。
研修の中で最も勉強になったと思ったのはやはり外来でした。大学病院では研修医になってからはもちろん、学生のあいだにも内科外来を見学する機会というのはまったくありませんでしたし、入院で受け持つ疾患も特殊なものに偏っていたため、common
diseaseの外来を見学できる
機会は非常にありがたいものでした。地域医療の研修先を決める際にもこのような外来が経験できることを期待して選んだため、希望がかなってよかったと思っています。関節リウマチの関節の腫脹、乾癬の皮疹、様々な呼吸音など、実際に見ることで記憶に残りました。
また、透析についても、詳しく説明して頂き理解が深まりました。透析の原理や、患者さんをみていく上で注意しなければいけないこと、プライミングの仕方、透析患者さまの合併症についてなど、多くを学ばせて頂きました。
往診にも同行させて頂き、はじめて在宅医療というものを実際に目にしていろいろ考えさせられました。患者さまごとに希望は異なっており、それにあわせた医療を提供していかなければならないのだと思いました。地域の診療所、その周辺の病院、訪問看護ステーションなどの間の連携のようすをみることができ、地域医療の研修としてよかったと思います。
研修中、他の医院にも行かせて頂きありがとうございました。どこでもとても親切に面倒を見て頂き感謝しております。双愛整形外科では、内科とはまた違った外来を見学し、手術にも入らせて頂き、よい経験になりました。ペインクリニックも初めて見学させて頂き、痛みにはかなり心理的な要素が強いということ、それに対する対応の仕方など学ばせて頂きました。こだま病院では当直をさせて頂き、こだま先生といろいろお話することができよかったです。
本当にお世話になりありがとうございました。1ヶ月の研修をし、プライマリケアにも非常に興味を持ちました。血液内科の勉強をしつつも、他の疾患も幅広くみられるような医師になりたいと思いました。またどこかでお世話になることがあるかと思いますが、今後ともよろしくお願い致します。
|