平成17年10月15日(土)、当院も開院して、5年を迎えたことを記念して、慰労の意味も兼ねて食事会をおこないました。
折り悪く、雨模様でしたが、ちょうど5年前の平成12年10月2日も開院日は雨でした。
開院当日から、透析も開始しましたが、初めての穿刺はどなたにしたのかは、忘れてしまいましたが、初日が無事終わったときには、スタッフが涙を流す光景も見られたことを覚えています。
あれから5年。少しずつ大きくなって、患者様も増え、私達も経験を積んできました。必ずしもまっすぐな平坦な道のりではなかったが、それでも5年間、こつこつと続けてきたことが、今日に繋がっています。最初は3人だった看護師も、現在は10人となり、スタッフも総勢では20名をこえるようになった。
開業しようと決めたときから、人工透析を特色にしようと考えてはいた。
同時に、私の場合は生まれた自宅の隣で開業したわけですから、テナント開業とは異なって、その地域の人に受け入れられるクリニック、地域の人に親しまれるクリニックを作りたいと考えていました。だから、透析だけではなくて、外来診療も是非行いたいと考えていました。透析も腎臓病診療の延長と考えていましたし、内科専門医として、広範な内科診療の中で、家庭医として地域医療に従事したいと考えていました。
それともうひとつは、在宅医療というか訪問診療も開業医としては大事な仕事だと思っていました。私自身は現在は水曜日と木曜日の午後を中心に訪問診療を行っていますが、今年の7月からは、訪問看護を高嶋婦長を中心に積極的に行うようにしました。高齢者の生活を支えるためには介護保険も有効に利用できたらと思って、居宅介護支援事業所も立ち上げました。
外来と、在宅と、透析と、5年間で自分がやりたいと思っていたことの一応の布石は打つことができました。
無事にここまでこれたことを感謝するとともに、今後はこの3本の柱を中心にどのようにバランスをとりながら、膨らませていくことができるか、次の5年は、この柱をどのように育てていくかに注力したいと考えています。
食事会での皆のはじける笑顔に乾杯!と感謝です。
平成17年10月16日
自分の医院の5周年記念を終えた翌日、友人の山本義久先生に誘われて、堺市の長寿クリニックの5周年記念パーテイに参加しました。長寿クリニックは、堺市にあって現在250名あまりの透析患者さんを診る大規模なクリニックです。
クリニックは開設7年とのことですが、今日は長寿クリニックの患者会が発足して5周年の記念とのことでした。
5周年の記念に、私の友人の山本義久先生が講演されるとのことで、お招きを受けて参加させてもらいました。
山本先生は私より少し若い先生ですが、大変エネルギッシュで活動的な先生です。
内科専門医で、同じく腎臓病透析を専門にされています。またパソコンにも大変詳しく、内科学会、内科専門医会のIT化にも随分貢献されています。
ただあまりの多忙がたたってか、2年ほど前に脳出血を患い、右半身の麻痺と失語が残ります。
一時は生命さえも危ぶまれた時期もありましたが、しかしそれでもくじけず、リハビリを重ね、大阪市立第二工芸高校に編入学もされて、医師として仕事ができない場合には、建築家を目指そうとCADの勉強をされたり、また障害のある体になったがゆえに、ケアマネージャーの資格をとって、同じような境遇の人を援助しようと行動されたり、常に前向きに取り組まれる姿勢には感動を覚えます。そのような彼の復活の過程を聴かせていただきました。
長寿クリニックは、在宅透析にも積極的に取り組んでおられます。
現在40名あまりの在宅透析患者(在宅透析とは、透析治療をすべて自分で、自分の責任で、自宅で行っていくという方法です。日本全国で約110名の在宅透析患者がおられるそうですが、そのうちの40名が長寿クリニックの患者さんだそうです。在宅透析の発症は名古屋ですが、すでに名古屋の患者さんの数を抜いて、在宅透析の現在の中心地のひとつと言えます。)
会場には近畿大学医学部 堺病院の今田教授も来られていました。
「明日からできる在宅透析」という題で講演をされました。在宅透析としては、主として腹膜透析の話題を紹介されていましたが、やはりこのようなオピニオンリーダーのような方がおられると、事業は進んでいくなと感じました。
そして、透析というなにより終生続けていかなければならない病気と治療については、患者様自身の自己管理が強く求められることから、やはり在宅透析というのも今後の透析治療の進むべき方向ではないかと思います。
山本義久先生のご案内で、また貴重な出会いと経験をさせて頂いてありがとうございました。この拙文をホームページに掲載するにあたり御許可を頂きました、今田聰雄先生、山本義久先生の御高配に感謝申し上げます。
また長寿クリニックの高橋先生はじめ皆様、飛び入りで参加させて頂きまして、ありがとうございました。
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