平成17年9月17日、第16回のリサナメント宝塚も盛会に終わりました。
さわやかな秋の午後、30名ほどの方に御参加頂き、当院の待合室も満員の盛況でした。
今回のリサナメントは、住み慣れたこの町でいつまでも安心して暮らしていきたいという願いをかなえるために、今秋初めての改定を迎える介護保険制度に焦点をあてました。
最初は、神戸海星会にて、グループホーム・デイサービス、「うみのほし魚崎」を管理される中江幸一様に、介護保険5年間のあゆみを振り返って頂きました。
中江様は、このリサナメント宝塚の世話人であられる山林さんのカレーをご馳走になったがために、一宿一飯の恩義を感じての熱演でした。
措置の時代に比して、介護保険が始まって、自己責任、応分の負担の時代になって、利用者も意識が高まったというか、権利意識があきらかになって、苦情なども増えているといったお話が聞かれました。
また介護保険を提供する事業者にとっては、サービスの競争になり、厳しい時代を迎えているといったお話でした。
その後、中江さんは、認知症のテストに使われる、「かなひろい」テストを披露して頂きました。
ひらがなで書かれた長文の中から、「あ、い、う、え、お」だけを拾い上げて、その数を2分間で答えるといったテストです。
正解は57個の、「あ、い、う、え、お」があるそうですが、私は46個しか見つけられませんでした。30代、40代と年齢を経るにつれて、正解率は下がるようですが、なかには、50個以上を回答される方もおられましたは。私も自分では若いつもりが、46個しか見つけられなかったという事実は、自分もいずれは例外ではないなと予感されました。
介護保険の第一線の現場でのご苦労話も頂き、なかなかユーモアを交えたパワフルなお話に一同聞き入りました。
その後、しばしのブレークタイムを利用して、そもそもの介護保険の設立の経緯を、市役所の松藤さんにお話いただきました。いつも前向きで、少しロマンチックな松藤さんのお話で、介護保険設立の経緯を伺いました。
ついで、今回のリサナメントの目玉であったのは、宝塚保健福祉サービス公社の山本剛史さんの講演でした。現在は、ケアマネージャーの第一線から離れて総務で活躍されておられるとのことでしたが、以前は、ケアマネージャーとして、介護保険の第一線で活躍されたそうです。
いろいろ高齢者の生活の現場での出来事などお話頂けました。
認知症の方も、人が訪ねてきて質問すれば、かなり正気に答えるとか、そんなときは、こういう風に毎日の実際の状態をお話くださいとか、実際的なお話を、ユーモアたっぷりに身振り手振りを交えてお話いただきました。
外見に比して、ずーーっと面白い人、そして熱い人。
福祉に携わる人って、結構熱い人が多いなとあらためて感じた次第です。
介護保険の利用に当たっての申請から、認定調査、そして実際のケアプランの作成まで、要点を詳しくお話頂きました。そして市内の介護保険事業所まで、くわしく紹介を頂きました。
あつっぽい講演に皆聞き入り、随分と好評でした。山本さんの大熱演が終わったあと、御参加いただいた方々の中でも、介護保険に関られる方々から、自己紹介を頂きました。
逆瀬川駅前のアピアという商業施設を中心とした都市再開発を計画されている、逆瀬川都市開発株式会社の貝沢様、平沢様といった方にも参加頂きました。
地域の中で、それぞれの活動をされている方々からの挨拶を頂き、互いの個性を発揮して、ゆるやかな連携をもつことができれば、それが昨今、注目される地域力につながるのでは
ないかと感じました。
介護保険のような公的な社会保障も理解しながら、それぞれの地域での、人と人のつながりが、互いをささえあうようなそんな地域づくりを目指して、人と人の出会える場所、機会が
ますます増えればいいなと感じた次第です。
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